11日間のインターンシップを終え、マニエラ建築設計事務所では本当に多くの事を学ぶことができました。
初めは模型制作の練習のため、開口のある立方体の製作を行いました。カッターの使い方など基礎的な技術を丁寧に教えて頂き、苦労しながらもなんとか作ることが出来ました。チェックの厳しさに、プレゼン用模型は細部まで丁寧に作らなければいけないことを思い知りました。
一週目は敷地模型やJWCADでのパースの練習などを体験させて頂きました。ここで学んだことは、個人事務所は非常に仕事が多いな、という事です。大手事務所とは異なり、施主へのプレゼン用模型やパースの製作を個人で行わなければならず、ただ図面を引くだけが仕事ではないと知りました。模型やパースの製作は目に見える形を作ることなので楽しかったのですが、期日との兼ね合いの中ですべてを製作するのはとても集中力のいる本気の作業なんだな、と知りました。
竣工中の現場を見学する機会もありました。傾斜地の特性を生かし、リビングの窓から見える環境が良くなるよう設計されていました。また狭い建築面積であるにも関わらず、廊下を書斎として使うなどの工夫が凝らされており、住宅メーカーの常識とは異なる設計手法に関心を持ちました。
二週目・三週目は計画段階のプレゼン用模型を作らせて頂きました。同じ敷地から二つの案を出しプレゼンしていくという手法なので、異なる案の図面を見ることが出来ました。図面から情報を読み取り、模型を作っていくとう作業は初めてだったので苦労しました。特に床にレベル差がある場合や、壁が直交していない場合は何度も間違えながらも組み立てて行きました。この模型製作においては、複雑な建物の模型であろうとも基本を忘れてはいけない、という事を学びました。最初に箱で練習した時に注意された、「裏から開口を切らない」「小口が歪んではいけない」という事を再認識しました。
完成した物件を見学することもできました。今まで模型用の図面だけ見ていたので、実際に建つとどのような雰囲気なのかを初めて知ることが出来ました。所長に案内して頂き、ディテールの納まりを説明して頂きました。引き戸のレールや取っ手、空調機などが極力表れないデザインであったり、スイッチが目の高さに表れないよう設計されていたりと工夫が凝らされることにより、空間をシンプルに広々と見せていることを知りました。また、照明は壁に当たる事によって明るさを感じる、という話を聞きそれを実感することができました。美意識がディテールにも表れていることに非常に感銘を受け、デザインの奥深さを知ることができる機会になりました。
短い期間ではありましたが、本当に有意義な時間を過ごす事ができました。マニエラの皆さまには本当にお世話になりました、どうもありがとうございました。,